字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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「<戦争責任>とは何か」 その2

 昨日読み始めた本。まだ4分の1か、3分の1までしか読んでいないけれど、非常に面白い。と同時に私にとってはかなり衝撃的。新聞記事や歴史学者のインタビュー、政治家の言葉などの引用が豊富で説得力がある。著者の変な主観が入っていないのも好感が持てる。

 

 ただ心配なのは、この本を読んだ人が「ほーら、ドイツだって歴史認識には”トリック”があるじゃん」「ほーら、ドイツはナチスとヒトラーに全部罪を押しつけ、国防軍の罪は認めていないじゃん」という方向に持って行ってしまうこと。1995年以降、ドイツ各地を巡回した「絶滅戦争・国防軍の犯罪 1941ー1944」で、多くのドイツ人が衝撃を受け、一部(特に保守色の強い南部)で反対運動が起きたのはうっすら記憶にある。「悪いのはナチの親衛隊であり、国防軍はクリーンだった」と信じる人も多いのだろう。だけど、「国辱だ!」といった反対運動が起きると、市民の間から Gegendemonstration (それに反対する対抗デモ)が起きる。今のドイツでも、AfDやNPDに反対する Gegendemonstration が頻繁に起きてる。そういう様子を見ると、ドイツの社会の健全さが羨ましく思える。どの国でもどの社会でも極右的思想の人たち、国粋主義的な思想の人たちはいる。だけど、それに対して市民が異を唱え、政治家もそれを批判し、さらにはジャーナリズムがきちんと機能していて、それを真っ正面から批判しているというのが非常に羨ましい… 

 

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 話はそれてしまったけれど、今日も時間を見つけてこの本を読み進めようっと。午後は久しぶりに息子が帰宅するので、いろいろ食べさせてあげたいと思う。買い物にも行かなくちゃ。いろいろハンディを抱えた息子だけど、それに負けず何とか頑張っているから。よその健全な普通の息子さんを見て、いつも「羨ましい… うちだけどうして?」とずっと思っていたけれど、最近になってようやくその苦しい気持ちから脱しつつある。長かった。四半世紀かかった。