字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

字幕ほにゃく犬の日常をぐだぐだと書いています

「ホロコースト」の言葉

 ライプチヒの現代史フォーラムという博物館へ行ったところ、「映画に見るドイツの歴史」展がやっていて、ひゃっほ~!と狂喜乱舞したというのは書いたけれど、その続き。

 

 「ホロコースト」という言葉が広まったきっかけとなったのが、この(↓)ドラマ。

 

f:id:alichen:20170923212817j:plain

 

1978年4月、アメリカで放映された4夜連続のミニシリーズだそうだ。メリル・ストリープが演じるインガの夫がユダヤ人で、いわゆる「Mischehe (ドイツ人とユダヤ人の婚姻)」という設定だったらしい…。登場人物はフィクションながら、撮影をドイツやオーストリアで行ったとのこと。ドイツでは翌1979年の1月に放映され、大反響を巻き起こしたらしい。ナチスが行ってきた蛮行を映画でどう描くかというのは、それまでも常に議論されていたそうなのだけど、リアルに描くことは避けられてきたらしい。それゆえに、お茶の間で(ドイツに「お茶の間」があるかどうかは別として^^;)ナチスの蛮行がリアルに映し出されただけに、視聴者は大きなショックを受けたという…

 

 「ホロコースト」という言葉が使われるようになったのは、実は戦後すぐではないという話は聞いていたのだけど、恥ずかしながらアメリカのドラマがきっかけだったというのは知らなかった。このドラマが世界中で反響を呼んだため、「ホロコースト」という言葉が流行語となり、80年代になって定着したそうだ。ただし、この言葉はユダヤ教では神様への捧げものを指すらしく、ユダヤ人の間では「ショア(ー)」を使うらしい。ランズマン監督のフランス映画「ショア」はあまりにも有名。映画「ハンナ・アーレント」でもユダヤ人の登場人物は「ショア」を使っていた。

 

 …ということで、この「ホロコースト」をぜひ見たいと思ったのだけど、古い作品ゆえにDVDは既に絶版。密林ではえらく高い値段がついていた。見てみたいなぁ… 次にドイツへ行ったとき、DVDを買おうかな。