字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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「リュミエール!」@写真美術館ホール in 恵比寿

 昨日はお誘いいただき、「リュミエール!」を観に行ってしまった。

 

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gaga.ne.jp

 

 すっごく、すっごくよかった…!リュミエール兄弟が映画の上映機「シネマトグラフ」を発明し、1895年12月28日に世界で初めて有料上映したとのこと(それゆえ、「映画の父」と呼ばれている)。1905年までの10年間で撮影された1422本のうち、108本を厳選してドキュメンタリーにまとめあげた作品。「動く写真」に19世紀末~20世紀初頭のパリを始め、世界の風景が収められていて感動的。撮る側の喜び、そしてそれを観た人たちの喜びが120年の時を超えて伝わってくるよう。19世紀末のパリの美しいこと…!

 

 来日ゲストとして、監督でありカンヌ映画祭の総代表でもあるティエリー・フレモーさんが舞台挨拶をなさった。監督さんいわく、「私はこれが世界最初の映画であることを強調したいのではありません。この映画がアート的に優れているということを伝えたかったのです(言葉は少し違うかも。でもこんな趣旨だったと思う)。」初期の作品からすでに、黒と白のコントラストを絶妙に生かしたり、動と静をたくみに使い分けたりと、芸術的で美しかった。「これで一山当ててやろう」とか、「これで大儲けしてやろう」といった下心がまったくなく、純粋に「お客さんに世界を見せてあげたい」という気持ちでやっていたからだろう。リュミエールの映像はとても感動的なのだ。。お世辞抜きで、じーんとしてしまった。

 

 さらに監督さんいわく「この1895年をもって「映画の発明」は終わり、新たに「映画の時代」が始まったのです」とのこと。19世紀末はリュミエール兄弟以外にも、多くの人が「動く写真」の開発のためにしのぎを削っていた…。シネマトグラフの登場で、それに終止符が打たれたということなのだろう。

 

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余談だけど、以前フランクフルトの映画博物館へ行き、このシネマトグラフを見て「おお!本物だ!」とヒデキ感激☆したことがあった。見学者は私一人しかいなかったので、ガラスにべったりくっついてガン見してきたのであーる。ガラスが心なしか曇って見えるのは、もしかしたらワタシの指紋かもしれない…💦 博物館の方、すみません💦

 

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さらに余談。リュミエール兄弟がシネマトグラフにより映画を上映したほんの2か月前(1895年11月)、ドイツのスクラダノフスキー兄弟が「ビオスコープ」で「動く写真」をベルリンで上映していた。ドイツびいきとしては、映画史に埋もれてしまったスクラダノフスキー兄弟を押したいところだけど、映像の鮮やかさ、1本の長さ(リュミエール兄弟のシネマトグラフは1本が50秒、ビオスコープはたった24枚のフィルムを連続させるだけ)、さらに機械のコンパクトさから行って、リュミエール兄弟に軍配が上がるなぁと思ってしまった。