字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

字幕ほにゃく犬の日常をぐだぐだと書いています

スイス映画『まともな男』

 毎月1日は「映画の日」。ということで、ふと思いついて夕方に新宿の映画館へ。

 

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 スイス映画だけど、主役はドイツ人という設定で、ドイツの俳優 David Striesow (ダーヴィット・シュトリーゾウ)が演じている。主人公のトーマスは、ごくごく平凡で小心者の会社員。家族思いで仕事も熱心。仕事も家庭も趣味も、みーんなうまくやりたいと願う、どこにでもいる”ノーマルないい人”( ein normaler, netter Mann)。それなのに妻とはギクシャクしており、娘は反抗期の真っ只中。上司の娘をスキー旅行に連れていくハメになり、家族からはブーイング。おまけにその娘が旅先で大きなトラブルに巻き込まれてしまう。上司の娘ゆえに、これは出世にかかわる問題。なんとか物事を穏便に済ませたいと願うトーマスは、とっさに嘘をついたり、妻に秘密を隠したり。ところが丸く収めるところか、次々と問題が発生し、にっちもさっちもいかなくなる…💦 さらに、周囲の人間のエゴも浮き彫りになる。離婚により子供を持て余し、休暇旅行に行く部下に押し付ける上司。息子かわいさから息子の犯罪行為を認めないばかりか、相手を恫喝する地元の男などなど。

 

 このHPにも書かれているけれど、「偽善的な行動、自己保身、事なかれ主義」といった人間のトホホな面が浮き彫りになり、見ていてちょっと身につまされちゃった。しかもトホホな主人公を演じたダーヴィット・シュトリーゾウがうまい!彼はなんとか穏便に済ませようと小さな嘘をつく。だけどトーマスは決して根っからの嘘つきなのではない。事を荒立てたくないだけ。そこに悪意はないのに、ボタンの掛け違いから事態がどんどん悪化していく。パパが悪いんじゃないよ、運が悪いだけなんだ…。しまいには「トホホ」というレベルではなくなっていき、思わず手に汗を握ってしまった。

 

 平凡、ノーマル、善良、かつ小心者な主人公が、とんでもない状況に追いやられる。「まとも」か否かというより、主人公が語る「nett (=親切な、優しい、感じのよい)で normal」であるとは、そもそもどういうことか?と考えさせられた。欠点がないことが nett なのではなく、こうしたトホホで人間的な面があるからこそ、人は nett になれるのではないかと。それをうまく表現できるのが、役づくりで10キロ太ったというシュトリーゾウ。

 

 そして余談だけど、思春期の娘の濃ゆ~い垂れ目メイクに「いるいる、こういう娘さん…!」と思ってしまった…(苦笑)女性ならほとんどが通る道。若気の至りか、ついつい濃くメイクしがちで、何年か経つとそれが黒歴史になる…💦

 

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  今日のビオラ。昨日、殺虫スプレーをぷしゅっとやったのだけど、虫食いはさらに大きくなっているような…💦

 

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