字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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つまずきの石

  古い話だけど2月にベルリンへ行った際、「つまずきの石」を探しに行ってきた。ドイツにお詳しい方はご存じだと思うけど、ドイツの都市を歩くとあちこちで見かける。道路に10センチ四方の石が埋め込んであり、表面に文字が刻まれた真鍮プレートが貼ってある。1993年にある芸術家が始めたプロジェクトで、ナチスの犠牲者がかつて住んでいた家などの前に設置されている。

 

www.newsdigest.de

 

実は冬にこのヴェルナー・シャーフという人物を調べていて、ベルリンにつまずきの石があることを知り、探しにいったのだった。Wiki に住所が書いてあったのでそれを頼りにウロウロしたのだけど、つまづきの石がなかなか見つからない。住所によると、確かにこのあたりなんだけどなぁ… さすがにドイツ人には尋ねにくいよなぁ…

 

困っていたら、赤ちゃんを連れた優しそうなパパがニコッとしてくれたので、思い切って尋ねてみた。そうしたら一緒に探してくれた…!ナチの過去に関することをドイツ人に尋ねるのは本当に本当に申し訳ないのだけど、親切が服を着て歩いているようなその方は、赤ちゃんも連れていらっしゃるのに一緒に探してくれた…!(今も思い出すと申し訳なくなる💦)

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あった!「sky」と書かれた看板の真下。この画像(↑)じゃ分かりづらいと思うのだけど、看板の真下の石畳にはめられていた!

 

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このヴェルナー・シャーフはユダヤ人の電気技師で、反体制運動を行った活動家。なんと!一度はテレージエンシュタットの収容所に移送されたのに、そこを脱走してベルリンへ戻ってきたという。そして反ナチ運動を再開、ビラを作って全国に郵送する活動を続けた。残念ながら再び当局に捕まり、終戦直前の1945年3月にザクセンハウゼン強制収容所で殺害されたという。右はお母さん。1943年にアウシュヴィッツで殺害されたと書かれている。お気の毒…

 

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 昨日は是枝監督の「万引き家族」がパルムドールを受賞したニュースが飛び込んできて、とっても嬉しかった。なんでも、今の日本を描写したものだという。是枝監督の映画に対する考え方を以前ネットニュースで読み、すばらしいなぁと思っていた。受賞のスピーチも見事だった。


 助成も同じで、たとえばですが「国威発揚の映画だったら助成する」というようなことにでもなったら、映画の多様性は一気に失われてしまう。国は、基本的には後方支援とサイドからのサポートで、内容にはタッチしないというのが美しいですよね。短絡的な国益重視にされないように国との距離を上手に取りながら、映画という世界全体をどのように豊かにしていくか、もっと考えていかなければいけないなと思います」(16年9月1日付)

http://lite-ra.com/2017/01/post-2867.html