字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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シュタージの問題は難しい…

 昨日はまたスカイプレッスンだった。映画「Gundermann」の件で旧東独出身の先生といろいろ深い話になった。先生は1988年生まれなので壁が崩壊した当時の記憶はほとんどないらしい。物心ついた頃には統一されていたと。ただ、先生のご両親やおじいさま、おばあさまはシュタージに苦しめられたらしい。そういった話を子供の頃からずっと聞かされてきたから、彼女にとっては「過去の歴史」ではないのだろう。「私にとってシュタージおよびシュタージに協力した人は全部クロ。シュタージ問題はシロかクロのみ、グレーゾーンはない」と言い切った。「身内や大切な友人を密告することに、なんの正義もない」と。

 

 一方で、シュタージによる悲劇をお涙頂戴に仕立て上げた映画にも怒りを覚えるという。シュタージ問題がいかに旧東独の人々の心を傷つけてきたかを垣間見た気がした。そして、30年経った今も傷は癒えていないのだろう。つい気安く質問してしまった自分を恥じて謝ったのだけど、先生いわく「私自身は直接体験したわけじゃないから、気にしないで。でも年配の人の中には、今もシュタージ問題はダブ―だと言う人もいると思う」と。

 

 もちろん、旧東独出身の親しい友人と話す時は、シュタージの話は一切しない。今回はスカイプレッスンだったし、普段からストレートに物を言う先生だったので、「大丈夫かな?」と思って恐る恐る聞いてみたのだった。先生は「私にとってはタブーじゃない、大丈夫よ」と言ってくれたのでちょっとホッとしたけれど、やはり非常にデリケートな問題なのだと再認識。ましてや私は外国人。づかづかと土足で踏み込むようなことはしたくない。気をつけよう。

 

 ちなみに「Gundermann」はこんな映画(↓)。ベルリン在住のライター、Hidekoさんが詳しく書いていらっしゃる。

 

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