字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

字幕ほにゃく犬の日常をぐだぐだと書いています

マライさんの本

 昨夜は日独協会にて催しがあった。日本語を自由に操り、マルチに活躍するマライ・メントラインさんの出版記念トークショー。楽しかった&面白かった。

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              「笑うときにも真面目なんです」

 

 マライさんとはお仕事で一度だけご一緒したことがあるけれど、とにかく多才。マルチリンガルだからか、あるいは名物のご主人と常にディスカッションをしているからか、とにかく脳細胞の隅々まで活性化している印象を受ける。マライさんの鋭い洞察力がいかんなく発揮されるのは書評や映画評(もちろん日本語)。読むたびにうならされる。日本人とは視点が全く違う気がする。コピーのセンスもおあり。

 

 昨日覚えて気に入った言葉。straßenköterblond。直訳すると「野良犬ブロンド」?ネットで調べたところ、ブルーネットと金髪の中間くらい。マライさんいわく、彼女の髪の色は美容院の人に言わせると、残念な金髪なのだそうだ。えー、我々日本人から見ると、きれいで羨ましいのになぁ。これぞ金髪!という「ド金髪」じゃないと、そう言われてしまうらしい。一方で、ドイツでも「金髪女(ブロンディーネ)」は頭の悪い女の代名詞のようだ。憧れや羨望が歪んで「金髪女は頭が悪い」となるのだろう。

 

 そしてもう1つ。ドイツ人に「肌が白くてキレイね」というのは褒め言葉ではないとのこと。これは友人からもちらっと聞いたことがある。「バカンスで日に焼けて小麦色」というのが理想なのだから。「色が白い」=「ビンボーでバカンスに行けない」という発想なんだとか。これは日本人にはない感覚。人間は悲しいかな、どうしても肌の色で差別しがちだけど「焼いた褐色の肌」はOKなのだろう。小麦色信仰は健在。

 

 マライさんは日本に来てからスカートをはくようになったそうだ。これも分かる。ドイツ人の若い女性は、まずスカートをはかない。そして昨日は話題に上らなかったけれど、若い女性はメイクもしない。基本すっぴん。たまにメイクをすると「今日、何かあるの?パーティー?」と聞かれるとか。ドイツ人の友人が大企業の秘書をしているのだけど、彼女いわく「büromässig」(訳すのが難しい!オフィスワークにふさわしく、という意味なのだけど)にメイクときちんとした服装をしなきゃいけないのがツラい、と言っていたっけ。

 

 …ということで、昨夜はいろいろ楽しいお話を聞けて有意義だった。暑かったから、私はモロ、ぺらっぺらの夏の格好で行ったのだけど東京の人って早いなぁ。みんな半袖だけど、明らかに初秋の装い。色が違う… 一人、サマ~な格好をしていてちょっぴり恥ずかしかった。

 

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