字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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ドイツ総選挙

 昨日はドイツの総選挙だった。極右と位置付けられる政党 AfD(ドイツのための選択肢)が躍進。13%の得票率で第三位の政党に。ある程度の票は取るだろうと言われていたけれど、こんなに議席を獲得するなんて。数年前は誰も予想しなかった。恐ろしい… ドイツが今までコツコツ積み上げてきたものを崩しかねない政党。多くのドイツ人の間にたまった不満がこういう形で噴出したのだろうか。旧東独地域では、なんと第2位だとか。映画「帰ってきたヒトラー」で、最後にヒトラーが「Damit kann man arbeiten.」と言うシーンがある。右傾化の波を好機ととらえて利用しろ、という意味だと思う。怖い。

 

 2年前、旧東独出身の友達と28年ぶりに再会した。1987年のイースターに、彼女の家に招かれて行って以来、手紙やクリスマスカードはやり取りしていたものの、実際には会っていなかった。彼女は昔のまま、フレンドリーでとても親切だったけど、ずーーーっと難民の悪口を聞かされたのには閉口した。彼女は決して極右を支持しているわけではない。差別主義者でもないはずだし、誰とでも仲良くやっていけるタイプだったはず。なのに難民問題となると話は別らしい。その後も、facebook で AfDの声明やら何やらをせっせとシェアしていた。「イスラム系の外国人がドイツ人の少女をレイプした」という類のガセネタもせっせと拡散していてギョギョ!となり、思わず彼女の書き込みを非表示にしようかと思った…。

 

 彼女が AfD に票を投じたかどうかは分からないけれど、彼女のように一見ごく普通の庶民が意外と AfD を支持しているのかもしれない。彼女が延々と語ったのは、「ドイツ人が勤勉に働いて蓄えてきた富を彼らが横取りする」「難民に反対しているわけではない、祖国で虐待されている人は助けるべきだけど、ドイツに来ているのはほとんど経済難民ばかりだ」…というもの。よく聞く話。そういえば、彼女は「Ossi 」「Wessi」(元東独の人、元西独の人に対する蔑称)という言葉も使っていたっけ。根底にとても複雑な感情がある気がする…