今朝、起きて朝日新聞の付録「GLOBE」をめくっていたら、書評のコーナーの「英国で進むドイツ賛歌」という記事が目に留った。むむ?イギリスでドイツ賛歌とな?
このコーナーは、イギリスやドイツ、フランスなどに在住の翻訳者の方が、現地のベストセラーを紹介するというもの。書籍の翻訳者さんは、皆様とても文章がお上手。どの国の書評もとても面白そうで、「へえ~」と思うことが多い。また、ベストセラー評を読むとその時々、その国々の国民性や時代性が浮かび上がってくるから面白い。
で、イギリスの今のベストセラーが「Why the Germans Do it Better」だという。意外。「なぜドイツ人はうまくやれるのか」。better という比較級がついているけれど、これは「自分たちよりうまく」という意味だろうか。この数年、BREXIT とコロナ禍があり、イギリスは(も)大変だったと思う。ドイツのほうが難局をうまく乗り越えてきたという羨望があるのかもしれない。中身を読んでいないから分からないけれど、書評によると著者がドイツのやり方を「langsam, aber sicher (ゆっくりと、しかし確実に)」と評しているという。まさにこれはメルケルさんの政治手法に対する評価かな、という気がする。
もっとも、この本の著者は John Kampfner さんと言うらしいのだけど、モロにドイツ系の名字。どうしても身びいきになってしまうのかも?とは言え、ベストセラーなのだからイギリス人の共感を呼んだのだと思う。
<追記>
…と思ったら、この著者はドイツ系ではなく、父はブラチスラヴァ(スロヴァキア)出身のユダヤ系移民、母はイギリス人だそうだ。身びいきではなかった…