字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

字幕ほにゃく犬の日常をぐだぐだと書いています

新しい本

ブランデンブルク隊員の手記 出征・戦争・捕虜生活』

(並木書房)

 ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼン 著

 大木 毅 監訳

 並木 均 訳

 

(表紙カバーから引用いたします)

 『ドイツ特殊部隊「ブランデンブルク」― これまで具体的な活動がほとんど知られることのなかった「ブランデンブルク」の元隊員による回想録。同部隊の特性や独ソ戦での対パルチザン活動、不快極まる湿地帯での作戦行動、イタリア山岳地帯での活動等々… 戦時中の日記などを基に活写されている。さらに敗戦後はブランデンブルク隊員であったことから「戦犯」として10年の長きにわたってソ連に抑留。労働収容所や刑務所での過酷な体験、父親との再会と別れ、脱走の試みなど、当事者の得難い証言をまとめた貴重な史料!』(引用終わりです)

 

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 このたび新しい翻訳書が出た!大木さんは、ベストセラーとなった「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」(岩波新書)の著者。そして並木さんはUボートの研究家であり、第2次大戦に関する数々の書籍を訳しておられる翻訳家。Uボートだけでなく国防軍全般にお詳しく、親衛隊のことも本当によくご存じ。これはジマンなのだけど、ワタシがブログを始めた頃(2006年、当時はココログで書いていた)に知り合った方。それ以来、本当に本当にお世話になった。歩く事典とは並木さんのためにある言葉である。いやもう、ホントに。とある作品で字幕監修をしてくださったのだけど、お手元にお持ちの史料にビックリした。「ネットで調べる」とか「本で調べる」というレベルではなく、とても貴重な史料に直接当たってくださるのであ~る。さらに、当時を直接的・間接的に知る関係者との交流もおありで、ワタシが拙い質問をすると徹底的にリサーチしてくださった。真摯に翻訳に向き合う並木さんの姿勢を見習いたいとずーっと思っている。

 

 なお、本書は昨日(2022年4月5日)に出たばかりの出来たてホヤホヤ。巻末には付録もついていて、登場する地名の解説や『特殊部隊「ブランデンブルク」』の更なる詳細なども載っている。貴重な証言、貴重な一次史料、貴重な考察、ハイレベルの翻訳。この時代、このジャンルにご興味のある方はもとより、この時代に関係する作品を翻訳する方には絶対にお薦めしちゃう。一字一句、ラインマーカーを引いて訳を勉強したいくらい(本が汚れるから引かないけれど)。文字が大きめで、熟年さんの目にも優しい仕様♪