この週末はゲーテ・インスティトゥートでシンポジウムがあった。なんでも、今年はゲーテ・インスティトゥート東京の設立60周年なのだとか。1962年に設立されたのね。今年は60周年を記念する行事がいろいろ計画されているらしい。その中の1つ、映画に関する催しがこの週末に行われるというワケであ~る。
そして昨日拝聴したのは、このシンポジウム。とても面白かった!
1960年代といえば、日独ともに戦後体制から脱却しつつある時期。ドイツでは、1962年2月28日に26名の若手映像作家たちが「Papas Kino ist tot」(パパの映画は死んだ)と宣言している。古臭くて時代遅れな映画との決別を誓う「オーバーハウゼン宣言」で、新しい映画、新しい潮流が始まるきっかけとなった。その後はドイツの映画界にも少しずつ女性が進出し、新しい映画を作っていったという。オンラインで講演をなさったベルンストルフさんによると、初期のころは映画大学でも女性の学生はほんの一握りだったとのこと。映画業界は「男性社会」だったのね。
恥ずかしながら、私は日本の映画史はほとんど知らない… ましてや、日本の女性監督たちの作品もほとんど知らなかった。先人の方々の苦労があるから今があるのね、というありきたりの感想しか書けない自分が情けない。
中でもいちばん印象に残ったのは、性的マイノリティであることをカミングアウトなさっている若手監督さんのお話だった。物静かな方で多くはお話しなさらなかったのだけど、ひとことひとことが心に刺さった。この監督のお話を伺ううちに、「女性監督」「女性映画」というカテゴライズ自体がもう時代遅れなのでは、と思った次第。この監督さんの作品がこのあと上映されたのだけど、私は予定があって見られなかった。無念!!是非、別の機会に見たいと思う。
そんなわけで、私は途中で失礼することになってしまった(涙)。話をしっかり聴こうと思って前列に陣取っていたので、途中退席は目立ってしまって本当に申し訳なかった。終わる時間をチェックしていなかった私のミス。申し訳ない… 小田香監督の作品、絶対にどこかで見なくては!
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今日も映画関連の催しがある。2日連続でゲーテに通うぞ!
途中の休憩時間、ゲーテ内のカフェでひとやすみ。ウィーン風のカフェらしく、Einspänner があった。
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余談だけど、字幕ほにゃく業界は女性のほにゃく者が圧倒的に多い。キャリア40年以上の大先輩からお話を伺ったことがあるのだけど、1980年代くらいまで字幕翻訳業界も圧倒的な「男性社会」だったとの話。今では考えられないような差別も平気で行われていたらしい…