昨日は水曜日。サービスデーだったので、夕方に映画館へ駆け込んだ。お目当てはチェコ+英+仏合作『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』。歴史を忠実に描いているとの話だったので見たいと思っていたのです。
「Der Henker von Prag (プラハの虐殺者)」との異名をとるラインハルト・ハイドリヒは、途中で暗殺されたこともあって、ゲッベルスやヒムラーほどの知名度はないかもしれない。ドイツでは極めて残虐な人として知られていて、映画でもたまにこの名前が出てくる。昨年担当した作品の中では、老いたユダヤ人女優が皮肉交じりに「私はハイドリヒと寝たと思う?」とナチ研究者に言うシーンがあった。「ハイドリヒ」だけではお客さんに伝わらないかもしれないとの意見が出て、「ナチの大物」といったんは修正。だけどやっぱり名前も出したほうがいいということで、「ナチのハイドリヒと寝たと思う?」という苦肉の策に落ち着いた。
とにかく残虐で、チェコで人を処刑しまくったという。そのハイドリヒを殺害すべく、チェコの在英亡命政府とイギリスが暗殺者をチェコに潜入させるという実話を描いている。「エンスラポイド作戦」という名前がついているらしい。歴史が好きな人にとっては、「なるほど、こういう事情だったのか」と分かるので興味深いけれど、いわゆる「ドンパチ」がかなりの部分を占める。そー、大音響。仲間が1人倒れ、また1人倒れ… 機関銃をダダダダダ!!!!と打ち、ナチ親衛隊(SS)の隊員もバタバタと倒れていく… これはアメリカ映画? 歴史の悲劇にスペクタクルなシーンを組み合わせるのには抵抗があるなぁ…
…ネタバレになってしまうので、これ以上は触れないけれど、拷問シーンでは冗談抜きに具合が悪くなった。こういうのが平気な方じゃないとツラいかも。劇場のお客様はシニアの男性が多かった。チェコが舞台だけど、言語は英語。字幕翻訳は柏野文映さん。分かりやすくて、とてもいい字幕だった。