字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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マウトハウゼン強制収容所へ(3)

 バスに揺られること35分。観光バスかな?って思うくらい大きくてふかふか椅子のバスだったのだけど、一応路線バスらしい。ただ、お客さんは数名。途中のバス停にもほとんど止まらず(たまに止まってお客さんが降りていったけれど)、そのままマウトハウゼン強制収容所へ。先日も書いたけれど、この日は快晴。いや~暑かった。オーストリアは内陸だから夏は暑くなるって聞いたことがあったけれど、まさかヨーロッパで東京以上の暑さに見舞われるとは…。これも温暖化の影響だろうか。

 

 強制収容所はとうもろこし畑を延々と上がったところにある。バスはもちろん、強制収容所の入口まで行ってくれるので歩く必要はなかったのだけど、当時の囚人たちはこの山を延々と登らされたという。ある証言者が「青々とした丘の上にあった」と言っていた。青々とした丘を上った先に地獄のような収容所が待っているのだから、本当に残酷としか言いようがない…。

 

 

当時はこうしたバラックがたくさん建てられていたと思われる…。ほんっとに人がいなくて寂しかった(涙)

 

 ガラスが反射してしまったけれど、上空から撮影した当時の収容所。読みづらいかもしれないけれど、左上が「死の階段」、その下が採石場、右は30番が遺体焼却場、31番がガス室。



 

遺体の焼却場。ガス室を始め、とても悲しい写真がたくさんあるのだけど、全部を載せるのはやめて1枚だけ載せさせてください。たくさんの人の人生が、こんな状況の中で終焉を迎えたという事実がなんとも悲しい。

 

 「死の階段」。このマウトハウゼン強制収容所は採石場のすぐ近くにある。リンツに「Führermuseum(総統美術館)」を建て、街も美しく整備する計画があったそうで、そのために石が必要だったとのこと。総統美術館に展示されるのはユダヤ人や占領した町から略奪した絵画や美術品。そこでマウトハウゼンの採石場に目を付けたナチスの幹部が、その近くに強制収容所を建てたらしい。そして囚人は採石場で採った石を抱え、階段を昇らされたとのこと。途中、落下した石で人が亡くなったり、自分が石に押しつぶされたりと、悲劇が絶えなかったとの話。そしてこれが「死の階段」と呼ばれるようになったらしい。

 

 

 

 

 

~つづく~