字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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Gastarbeiter

 マウトハウゼン(4)がまだあるのだけど、その前に別の話題を・・・。数日前、とある映画の一般試写があってアフタートークで漫談をしてしまった。ドイツにいる2世、3世のトルコ人が主人公。ドイツにお詳しい方なら、もちろん「ガストアルバイター」のこともご存じだと思うのだけど、一般試写なのでそこまでご存じない方もいらっしゃるかも。そんなわけで、ドイツにおける外国人労働者、ガストアルバイターのことを少し調べてみた。

 

 そもそも Gastarbeiter とはナンジャラホイ? Gast は「お客」、Arbeiter は「労働者」。この Gast は「客員教授」や「客演指揮者」のように、頭につけると「お招きして一定期間(もしくは1回ポッキリ)やっていただく」感が出る。Gastarbeiter はたま~に「出稼ぎ労働者」なる訳語が当てられているのを見かけるけれど、出稼ぎではなくドイツ側が人手不足の解消のために招いた労働者の人たちなので正しくないと思う。ベースとなっているのは1950年代に各国と結んだ二国間協定。1955年にイタリアと、1960年にスペイン、ギリシャと、1961年にトルコと、1963年にモロッコと…といった風に二国間での協定締結が続く。背景にあるのは、戦後西ドイツの「経済の奇跡」。急成長を遂げ、人手が足りなくなってしまったとのこと。ルール地方を含むノルトライン・ヴェストファーレン州が最も多くの労働者を受け入れたことからも、工業地帯での人手不足の解消が急務だったことが分かる。労働者の受け入れは第一次石油危機の1973年まで続いたそうだ。

 

 しかーし。あくまでも「一時的」な労働力で、契約が終了したら帰国するだろうとのもくろみから、政府はドイツ語を教えるといった統合政策をやってこなかったとのこと。なのでトルコ人一世はドイツ語が話せない人が多い。

 

 ちなみに今、ドイツではどのくらいのトルコ系住民がいるのかな?と思って、ドイツ連邦統計庁のデータを見てみた。2021年の統計だと2,747,000人。ドイツ全体の人口が8千数百人なので人口の3%ちょっとに当たる。

 

(同じ年の数字で比べるべきなのだけど、統計庁の総人口のデータがいろいろな条件によって細かく数字が分かれているので、結局どれが総人口なのか分からない…。トホホ。別のデータによると、2023年6月時点で総人口は8,482万人だとのこと)

 

 今や移民の背景を持つドイツ人は2千万人以上。移民の背景を持たないドイツ人は6千万人弱。3割とはいかないけれど、それに近い人が移民の背景を持つことを知ってビックリ。その中には東欧からの移民やアフリカ系、アラブ系、アジア系など様々なルーツが含まれる。これについても、ドイツ国籍があるかどうかとかで数字が変わってくるのだけど、知識のない私は統計が読み解けない(涙)。いずれにしても、ドイツが移民国家であることが、はっきり分かった。