字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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「ドイツ再統一30周年に考える、ジェンダー平等」

 またちょびっとご無沙汰してしまった。先日、ドイツ在住でライターをしていらっしゃる Hideko さんのすばらしい記事を拝読した。東ドイツ関連のニュースは私の大好物であーる。

 

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 私はそれほど長くドイツにいたわけではないので、当時の友達関係も限られていた。それでも、なぜか東独で知り合った人がすごく多い。また、統一後に知り合って仲よくなった友人もなぜかみんな東独出身。DDRの政治体制は問題が多くて好きになれなかったけれど、東独出身の友人はみんな素朴で人柄がとてもいい。それだけに、ちまたでよくなされる「東=西より劣っている」という見方にはムッとしてしまう。

 

 Hideko さんの記事を読んで、「ああ、確かにそうだった!」と思った。旧東独の友人たちはみんな当たり前のように働いていたし、シングルマザーもいた。手厚い保育制度があり、「国に頼れる」という安心感があったからか、子育てと育児の両立に悩む風にも見えなかった。

 

 何年か前、ベルリンにあるDDR展に案内してもらったことがある。連れていってくれたのは、30年ぶりに再会した旧東独出身の友人。展示されていた大きな工作機械を見て彼女いわく「あ、懐かしい!私も昔、これで仕事をしてたのよ」と。確かに彼女は大柄だったけれど、よくこんな大きな工作機械を…と感心した。経済の停滞と人手不足という旧東独のお国事情があったとは言え、さすが~と思ったのを記憶している。

 

 一方で、なかなか解消されない東西の賃金格差は友人たちの間でも話題になっていた。ある友人にドレスデン駅まで送ってもらった時、車の中でその友人が「私が今やっている仕事を西でやれば、もっとたくさんもらえる。不公平だ」と漏らしたことがあった。めったに会わない日本の友人につい言ってしまったのは、日頃から不満に思っていたからなのかもしれない。

 

 話は少しそれてしまうけど、西出身の友人たちと話をしていたら、「東の人たちは文句ばかり言ってる」なんて言う人がいた。うーむ。これも偽らざる本音だろう。東西が統一して30年が経ったけれど、こうしたギャップが埋められるには、もう少し時間が必要なのかも。