字幕ほにゃく犬のダラダラほにゃく日記

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映画関連トークショー

 昨夜は下北沢の書店B&B(お笑いコンビではない。☜ピンと来る方は、間違いなく昭和脳です)で催されたトークショーを聴きに行った。すっごく面白かった!

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 マライさん、マライさんの名物ご主人、そしてヤングアダルト小説の翻訳で有名な金原瑞人さんの3名が「ロードムービーとヤングアダルト小説の深い関係」について、2時間たっぷりお話してくださった。3人とも知識が豊富な上にお話がとても上手。楽しい2時間だった。

 

 映画の原作は、ドイツで240万部(だったかな?)を売り上げたという超ヒット作。著者は脳腫瘍に侵され、残された人生の中で力を振り絞ってこの作品を書き上げたという。クラスの「はみだし者」2人が”借りた”自動車で旅に出るのだが、14歳の少年らしく、危ない橋を渡りつつ何かを得て、大人になっていく。この2人は、ただはみ出したわけではない。親のネグレクトや移民問題など、現代社会が抱える様々な問題が見え隠れする。

 

 へえ~と思ったのは、原作本(ドイツ語タイトル「Tschick」、翻訳本のタイトル「14歳、ぼくらの疾走:チックとマイク」)はドイツでは学校推薦図書並みの扱いで、これを教材として取り上げ、徹底的に議論するいうこと。確かにイイ話ではあるのだけど、14歳で車は盗むわ、お酒は飲むわ、挙句の果てにはトンデモなこともやらかす。ドイツの場合は「きれいごと」だけで済まさず、子供に現実社会を見せつけ、子供なりにどう思うのかを議論させるとのこと。「まだ子供だから」と、子供をナメてきれいなものだけを見せていると、免疫もつかないのかもしれない。背景には過去の反省もあるのだろう。1人1人がちゃんと自分の頭で考えるのが大事なのだと。そういえばAIDSが社会問題化した80年代後半、ギムナジウムでコンドームを配ったという話を聞いて仰天したことがある(真偽のほどは不明)。でも、その話をドイツ人に言ったら「知識がないがために感染してしまうよりずっといい」と言っていた。確かに…とうなずくと共に、「私はそれを10代の子供に持たせる自信はないなぁ」と当時も思ったのだった。

 

 こうした話を聞いて、一昨日の日独協会でのトークショーを思い出した。ドイツ人が赤信号を守るのは、それがルールだからではないそうだ。でなくて「ルールに納得しているから渡らない」のだという。これを聞いて深くうなずいてしまった。そう、ドイツ人は納得しないと動かない。納得しないまま物事を進めるのを嫌う。こうして小さいころから現実社会を目を向け、子供なりに分析したり納得したりしているうちに、あのドイツ人の性格が熟成されるのだと思う。あの頑固さに手を焼くこともあるのだけれど。

 

 日本の文部省推薦図書はつまらない本が多かった。大人が姑息な知恵で「教育的な本」を選んだところで子供の心には届かない。子供は大人が思っている以上に分かっているのだと思う。これは子育てをほぼ終えた今の私もよーく分かる。もっと若いころに気づいていれば…💦と思うことも多し。あーあ。

 

 …そんなわけで、昨夜は楽しかった。いろいろな方にお会いできたし、仲のいい方と待ち合わせをしてお茶や食事ができたし。いい1日だった。

 

 下北沢のカフェで待ち合わせ。トークショーは7時から9時までなので、腹ごしらえを。カフェの裏メニュー、チーズリゾットのカレー。濃厚…!美味しかったけれど、全部は食べられなかった。ゲプッ

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浜松からいらした方にお土産をいただいた。あの有名な「うなぎパイ」が出しているクッキー。カワイイ💓

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